キッチンカーの経営を安定して維持するためには、1日に何食売れる必要があるかを正確に把握することが重要です。
売上はもちろん、経費や利益率も考慮しなければならず、ただ多くの食数を売ればよいというわけではありません。こ
こでは、経営を維持するための目安となる販売食数を、コストや売上構造を基に解説していきます。
まず、経営を維持するために必要な売上を算出するためには、キッチンカーの運営にかかるコストを明確にする必要があります。これらは、主に固定費と変動費に分けることができます。
固定費の代表例
- キッチンカーの購入費用またはリース料
- 営業許可や保険料
- 車両のメンテナンス費や燃料費
例えば、キッチンカーのリース費用が月に50,000円、保険や営業許可関連費用が10,000円、燃料費やメンテナンス費が10,000円かかるとします。この時点で毎月70,000円の固定費がかかっている計算になります。
変動費の代表例
- 食材コスト
- 人件費(自分の労働も含める)
- 出店場所の使用料(イベントの参加費など)
- 容器や消耗品などの販売に必要な物資
これらの費用は、販売食数が増えるにつれて増加します。一般的に、**食材の原価率は30%〜40%**程度とされており、メニューによって異なりますが、販売価格の約1/3が食材費に充てられると考えておくと良いでしょう。
必要な売上と1日あたりの食数
次に、必要な売上を基に1日に売るべき食数を計算していきます。仮に、月の経費が固定費と変動費を合わせて150,000円であるとしましょう。月に20日間営業する場合、1日あたりの必要な売上は以下の通りです。
150,000円÷20日=7,500円/日
この場合、1日に必要な売上が10,000円となり、1食あたり480円の利益があると仮定すると、次のような計算が成り立ちます。
10,000円÷480円=約21食/日
つまり、21食以上売ることで、毎月50,000円の利益を得ることができます。
コスト削減と売上拡大のバランス
経営を安定させるためには、単に食数を増やすだけでなく、コスト管理と売上拡大のバランスが重要です。
例えば、出店場所の使用料や消耗品の仕入れコストを削減できれば、その分売上を増やさなくても経営を安定させることができます。また、メニューの単価を上げたり、セット販売を導入することで、1食あたりの売上を増やす工夫も有効です。
一方で、過剰なコスト削減が品質やサービスに影響を及ぼすと、リピーターが減少し、結果的に売上が下がる可能性もあります。適切なバランスを保ちながら、経営を維持できるよう工夫することが重要です。
まとめ
キッチンカーで経営を維持するためには、1日あたり12〜20食程度を売り上げることが一般的な目安となります。
ただし、これは固定費や変動費、メニューの単価や利益率によって大きく異なるため、しっかりと経費の見積もりを行い、それに基づいた売上目標を設定することが大切です。
また、利益を増やしたい場合は、1日あたりの必要な食数を増やすか、メニューの単価や提供方法を工夫することが求められます。
何食売れるか予測して仕込みをする
キッチンカーでの仕込みは、何食売れるかを正確に予測することが重要です。仕込みが多すぎると食材のロスが発生し、少なすぎると売り逃しの機会損失を招きます。予測を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが必要です。
まず、過去のデータを活用することが基本です。同じイベントや場所での売上履歴を基に、仕込み量を決めましょう。天候や曜日による変動もデータをもとに予測できます。次に、出店場所の規模や特性を考慮し、人通りの多さやイベントの集客力に応じて調整することが大切です。
さらに、天候や季節も予測の要素です。晴天時や温暖な季節には多めに仕込み、雨の日や寒冷な時期には少なめにするなど、予報に応じて柔軟に対応します。
メニューの人気度も仕込みの決定要素です。売れ筋のメニューには重点的に仕込みを行い、リピーターを意識したメニュー構成にしましょう。最後に、フードロスを防ぐ工夫として、保存がきく食材を利用したり、調理前の段階で仕込みを調整する方法も有効です。
キッチンカーで儲かるメニュー
キッチンカーで儲かるメニューにはいくつかの特徴があります。
これらのメニューを選ぶことで、売上だけでなく利益も大きく伸ばすことが期待できます。
以下では、キッチンカーに適した儲かるメニューの特徴を解説します。
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誰もが知っている定番メニュー
定番メニューは、特に初めての顧客でも注文しやすいため、安定した売上を見込めます。例えば、カレー、ピザ、たこ焼きなど、誰もが知っているメニューは失敗しにくく、キッチンカーの人気メニューとしてよく選ばれます。これらのメニューは調理が比較的シンプルで、大量に提供できるため、オペレーションが効率化されやすいです。
提供スピードが速いメニュー
キッチンカーでは、提供スピードが速いメニューが特に儲かります。ランチタイムやイベントでは短い時間で多くの注文に対応する必要があるため、調理工程が少ないメニューは回転率が高く、売上を伸ばすことが可能です。焼きそばやホットドッグなど、作り置きや事前の準備が可能なメニューが代表的です。
高単価で付加価値のあるメニュー
高単価メニューは、1つの販売でより大きな利益を上げることができるため、効率的です。例えば、ブランド肉を使用したバーガーや、地元の新鮮な食材を使った特別メニューは、単価が高くても顧客の満足度を高めやすいです。また、トッピングやセット販売を導入することで、さらに単価を上げることが可能です。
原価率が低いメニュー
原価率の低いメニューも儲かるメニューの重要な特徴です。粉物を使ったたこ焼きやお好み焼き、クレープなどは、原材料費が比較的安く済むため、利益率が高くなります。これらのメニューは、特にイベントや観光地で人気があり、安定した売上を期待できます。
季節やイベントに合わせたメニュー
最後に、季節限定やイベントに合わせたメニューも儲かるメニューの一つです。季節ごとのフルーツを使ったスイーツや、特定のイベントに合わせた限定メニューを提供することで、話題性が生まれ、顧客を惹きつけることができます。また、こうした限定メニューは単価を高く設定できるため、利益率が高くなることが多いです。
実例!1日何食売れるのか?とある地方のキッチンカーの1ヶ月
キッチンカーで1日や1カ月で何食売れるかは前述のとおりですが、運営者がどんな経営を行うかによって結果は全く違ってきます。
そこで実例の一つとして私のキッチンカーの1カ月を公開したいと思います。
出店の条件もあわせて公開しますので参考にしてみてください。
*昨年(2023年)の売上の平均に一番近い月を対象にしました。
項目 |
内容 |
居住地 |
北陸地方 |
キッチンカーのタイプ |
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出店タイプ |
県内のマルシェ、イベント、お祭りなど。近隣スーパーや学校、ランチなどの定期出店はしていません。
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出店曜日 |
土曜日、日曜日、大型連休。たまに祝日も出店します。
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出店の時間帯 |
イベントによりますが、主に10:00~16:00が多いです。
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メニュー |
商品A (800円)、商品B (800円)、商品C (500円)、商品D (500円)、商品E (400円)、商品F (300円) など。主食系と祭り系が中心。
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従事者 |
妻が運営しており、夫(普段は会社員)が手伝い。2人ですべての業務を行っています。
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天候 |
該当日は晴れまたは曇り。雨の日はありませんでした。
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その他 |
雪が降る地域なので、12月~2月は出店機会が少ないです。
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キッチンカーの概要
居住地(キッチンカー運営地)
北陸地方で運営しています。
土地柄、雨の日も他の地方に比べると多く冬は雪が降ります。海岸沿いで出店するときは風が強い時もありキッチンカーを始めた当初は知らないことも多く看板やら幟やら色々飛ばされました。
キッチンカーのタイプ
マツダのタイタンを専門業者に依頼してキッチンカー仕様にしてもらってます。
最近では同じパターンのキッチンカーが非常に多いです。今のところ色かぶりはありませんが、いずれ出てくるかもしれません。
メニュー数が多いのでトラックタイプではありますが作業場は余裕がない状態です。
出店タイプ・出店曜日
主に県内のイベント・マルシェ・フェスなどに出店させてもらっています。夏になると地域の夏祭りにも呼ばれたりします。
基本は土日と大型連休のみ出店しています。春の花見や秋の紅葉など平日に出店することもありますが他はないです。
キッチンカー専業の方は市役所近辺でお昼の時間帯のみランチ営業を行ったり、人の多いスーパーや高校・大学などで定期出店している方もいます。
出店の時間帯
基本は日中の営業になりますので10:00~16:00くらいがほとんどです。
イベントにより夜の時間帯まで営業することもありますが、そのようなイベントは開始時間が遅くなるのでいずれにしても6~7時間くらいの営業になります。
メニュー
当店のメニューは主食系もありつつ、お祭りで老若男女に好まれるものもあります。
ですからランチ時間でもおやつ時間でも対応できるのですが、仕込みは大変でフードロスも多くなる傾向にあります。
ここはキッチンカーそれぞれのやり方なので、単品メニューなのか複数メニューなのかは自由ですが何食売れるかという点においては少なからず影響してくることはご了承ください。
キッチンカーの従事者
当店ではキッチンカーは妻が運営しており、私は手伝い(平日は会社員)です。
基本的には常に2人で出店していますのでアルバイトや社員を雇うことはありません。ですから経費の面では人件費がかからないので楽です。
実例!キッチンカー何食売れる?
以下は当店キッチンカーの2023年6月のデータになります。